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雪花の日記です
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花屋につとめる彼女と遊ぶには、
彼女のアルバイトのシフトを気にする必要がある。
母子家庭に育ちつつ私立高校に通い、
アルバイトもせずという自分は実はとても甘えている?
蔵馬の内側に存在する自我は高校生の息子の範囲を越えている。
けれど人間として人間の社会の仕組みなんかを学んでからは
やっぱり二十年と経っていないわけで。
そういう意味からすれば、
自分はまだここでは未熟な者なのかもと思いもする。

今月の第三日曜日の予定を彼女に聞いたら、
午前中から夕方いっぱいまで仕事だと嘆かれてしまった。
せっかくのおやすみなのに可哀想にねと蔵馬は思う。
「午前中、店に行くから」
「来るの? 売り上げに貢献してくれる?」
目をキラキラさせて言ったセリフがそれで、蔵馬は思わず苦笑した。
「うん、いいよ。バラの花だけど」
「なんだ、蔵馬の十八番じゃない」
「そうなんだけどさ」
バラに限らず、植物だったらわざわざ金を払ったりしなくても
出すことは出来るだろう、おおよそは。
ただこの日だけは妖気を使いたくないなと、蔵馬は何となく思った。
第三日曜日。
「赤いのと白いのと、それぞれ10本くらいずつ束にしてくれる?
 リボンとかはつけなくていいから」
「うわぁ、今から練習しておこうっと」
彼女はちょっと焦った顔。
花束を作るのが苦手なのかもしれない。
「ね、ね、そういえばお母さん、なにか言ってた?」
母の日に彼女から蔵馬を通してカーネーションが贈られたのだった。
その説明をするために、付き合っている女の子がいるという話を
初めて母親にする羽目になった、唐突に不可抗力に。
「喜んでたよ、今度連れて来いって言われた」
「えぇー? どうしよう!」
いきなり緊張する彼女。
やっぱり彼氏の母親との対面はひとつの関門に思えるのだろうか。
もちろん、会うことを前提とした前向きな試練なのだが。
赤の他人の中に、大切な大切な人を見出して、家族に紹介する。
もしかしたら、いつかこの人も家族のひとりになるかもしれないなんて
予感を誰もがぼんやりと抱きながら。
蔵馬が妖怪だけのままで今も生きているとしたら、
そもそもこんな思考が生まれたのだろうか。
自分にはいくつものルーツがあって、今は妖怪でいるだけではない。
蔵馬は改めてそれを思った。
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続きは第三日曜日に。

この日記には日記オンリーの蔵馬と彼女が住んでいて、
たまにショートストーリィでこうして顔を出します。
忘れなければ第三日曜日に続きを書きます。
ちなみに母の日ショートは↓下から「ありがとうの日」とかで
検索かけると出ると思います。
ねりちょぎ
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お返事
日記でも夢を書かれているんですか!日記は日によって見たり見なかったりなので見逃してしまった「母の日ショート」もしっかり今見ました!第三日曜って・・・父の日?ですか?ちゃんと祝ってあげた試しがないのでうろ覚えです。母の日も大抵何もしない気が・・・。でも!今年はなぜか覚えていたので、母の絵を送りつけました。似てないやつを(爆)。英語が何より苦手な彼女に対抗して、あるメッセージを英語で書いたのですが、分かったのかな・・・?そのことについては何も聞いていないのです。妹あたりに聞いたのかな。ではこの辺で。
嘘月 2006/07/19(Wed)17:37:03 編集
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